関数電卓でも解ける : 独楽(コマ)の簡単な線形近似運動方程式


重力トルクはもちろん、摩擦トルクも含めた、たったの2次の複素の定係数線形微分方程式(下図青枠)。
逆立ちごま、セルトの石(ロシヤの亀)の直感的解説(世界初)は終了。回転機器の低周波騒音対策も終了。
ゆで卵の回転起立,宇宙ヤットコ,回転コイン(終了)、運動器具ラートの斜転の直感的説明(世界初)は終了。
最初に次の簡単な英和文の図解を是非ご覧になって下さい。
 左図の赤曲線で示されたループ状軌跡は経験があるでしょう。この曲線は減衰のあるトロコイド曲線です。
青曲線は、現実には見えないのですが、赤ループ円弧の各瞬間中心=角運動量:Hの軌跡です。   θ(シータ:ギリシャ文字)は天頂ZからのSの傾き角で水平の慣性座標軸:X,Y軸まわりの成分から成る。
つまり図中でもθとして示される複素ベクトルです。
  青枠の式で重力と摩擦力以外の外部トルクが作用しない場合(右辺=qext=0)として初期値を与えて解いています。
 
★この図は恐らく「世界初」と筆者は考えます。なぜなら"attitude equation of spinning top, figures"でググれば
 Googleさんは本解説の英文版をトップに、同時に本図以外に、独楽を指でハジいた場合の姿勢変化図などが膨大な図集の
 トップに選ばれ、類似の図は一切見られないからです。
表題にある線形近似とは、掴み所のない複雑な方程式を、直感的に分かりやすくするだけでなく、線形理論にある各種の便利
 な道具が使えるようになります。今回は複素係数で、重力と摩擦の両トルクを含む式ですが、なるべく直感的に解説するつもりです。
 宇宙開発以前の回転体の力学は避けるべきです。スピン衛星の運動/力学を含む教科書や参考書を選んで下さい。
 またはこの直後に始まる独楽の頭の指ハジキによる姿勢変化の解説を注意深くジックリ読んで下さい。またはパソコンで
 プログラム言語JAVAが使えるようでしたら、APPLETによる解説を是非動かして見て下さい(可動まで時間がかかるかも?)。
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この図の左側の質点の説明はどの力学の教科書にあるのでご存知でしょう。しかし右側の図は宇宙時代以前には力学の教科書にはなかったもの。これを理解しないと独楽の運動も理解できません!.
簡単ですのでこの機会に是非覚えて下さい。 打撃によって動かされるのはスピン軸ではなく、角運動量ベクトルHであること。
スピン軸は現在の角運動量を軸として円錐を描き続けます。角運動量が変化しない限り、永久に同じ円錐を描き続けます。
 打撃が斜め方向だとHは方向だけでなく長さも急変し、その瞬間からSも変化し円錐面の長さも瞬間的に変化します。しかしその最初のSは方向は同じでも長さは瞬間的に変化します。 角運動量の方向が変化すると円錐の半頂角νが変化するので、スピン軸は現在姿勢から変化した新角運動量方向を軸とする新円錐面を描き始めます。
つまり、打撃があってもそれによって直接に動かされるのではなく、Hの方向の変化があって、初めてそれを軸とする新円錐を描き始める。
スピン軸S変化した新Hを中心軸とする新円錐を描くことを「肝に命じて」覚えて下さい。  これを知らないと、スパイラル状のスピン軸軌跡は理解できません。あと少しは複素ベクトルの初歩的知識が必要です。右上の行ベクトルは座標系を選んで単純化したものです。複雑な式は直感が働かず筆者には不向きです。図のトルクを発生するには画面の裏側からS0を手前右側に叩く必要あり。
 次の指ハジきは現実の現象そのものの格好の例です(スピン衛星のジェットによる姿勢変更と同じ)。


 初期値を与え、スパイラル運動の途中で打撃を式の右辺に細い矩形波=デルタ関数で与えた。つまり計算式は極めて簡單。(近似条件は傾き角微小とスピン速度不変)。
その瞬間、前述の解説通りに青のH だけがトルク方向にジャンプしているのに対して S は次の拡大した図にしめすように ジャンプせずに方向が急角度で折れ曲がるだけ。 これが重要打撃が無ければ両曲線は図示のように細い点線の曲線を描き続けるはず。
 打撃トルクは独楽を直接に動かすのではなく、次の拡大図に示すようにH にベクトル加算され、急変した方向の位置にジャンプする。S は新H を中心とする新しい点線の円錐を描き始める。
 これは宇宙開発以前の教科書には無かった事柄らしいので、次の図を徹底して理解してください。


指ハジキ効果の説明

S の折れ曲がる方向は急変した新H の矢印先端を中心とする緑色の点線の円を描くはずだが…。
 宇宙ならキレイな円錐=章動運動となるところ。しかし机上なので重力や摩擦トルクによってH =黒丸 は固定されず、主に重力トルクによって青線のように移動し、S もそれを追いかけながら取り囲むように流される。
その結果、周回の円は引き伸ばされた形となる。近似とはいえ、運動の特徴をよく表現している(多分、世界初!「独楽の運動/解析、図」でググられよ、類似の図は皆無!)。
 H.P.最初の図の青枠の線形化方程式は2次なので2つの固有値または特性根を有し、どちらも反時計回りで、Hを周回する早い根は 弱い収束性、原点を周回する遅い根は収束しない弱い発散性なのが前述した指ハジキをしない上図の細い破線の軌跡図からわかる。つまり両破線はゆっくり平行に発散していく。

✱ "普通の独楽とゆで卵の形状の差と摩擦力発生の原理図"  左図は3種類の軸対称回転体:普通の独楽とゆで卵および東南アジアの茄子独楽という慣性モーメント比σ=C/Aが>1か<1の場合の代表例を並べ、姿勢や机上での接触点Pの位置関係と関連姿勢情報の記号やベクトルの方向関係を図示したものである。 角速度ベクトルωΩnsの2成分に分解して(ハッチした三角形の3辺を見よ) 検討していることに注意し、とくに方向と大小関係の極端さにも注目されて発生する摩擦力の大小、方向を検討されたい。
スピンすることによってテーブルへの接触点Pが回転軸の右か左かによって摩擦力が紙面の向側かこちら側かに分かれ、 それらが重心に対する右向きか左向きかのトルクに別れて角運動量Hに水平に加算され、Hは左右に傾く。
つまりこれによってSが描く円錐角νが変化する。これが宇宙時代前の教科書には無かったのである! 今でも殆ど無い!?
これらの摩擦トルクや重力トルクが目には見えない角運動量にベクトル加算され、その新角運動量まわりを独楽のスピン軸が角度を変えながら周回する、この簡単なことが分かれば「なるほど」と理解できます。
Ω成分は両者ともに安定に寄与するが、ns成分は相互に逆方向なので大きく別れ, 卵の歳差モードは安定なのに対して章動モードの安定には悪影響となる。これによって慣性モーメント比σの影響の大きさに驚かされる。
もう一つ忘れてならないことは、図示する3者の傾き角は同一に描かれているが、青の点線で示されるH軸に対するPの位置は卵が極端に短い。
このことから卵の章動安定性が他の2者に較べて低いことも理解できよう。

最後に卵はΩさえ高速にすれば安定になるが、手では困難である。

✱ 線形化した式は複素変数を使用した実質は4次式ではあるが、形は2次式なので固有値(特性根)は関数電卓で簡単に得られる。

>根軌跡法の利用例

 運動方程式が線形化されると理解と応用が一変に広がる。その一例として安定性を調べるのに便利な「根軌跡法」を応用した例を述べる。
この方法は、あるパラメータを変化させたら安定性がどのように変化するかを容易に知ることができる、

以下、左図の下半分に示す根軌跡法で形状が姿勢の安定性に及ぼす影響の見方を示そう。

ここでは前述の茄子ゴマをあげよう。これには木製のものもあり、
これには接地部分に安定性の向上を狙って小さな半球をつけたものがある。
左図の左側は元の儘、右側は下端に小半球をつけて、r を小さくしたものである。

図の下半分が構造と根軌跡図である。回転速度が落ちると高速の章動モードが 減速とともに安定性を失い、境界線であるIm軸を通過して不安定領域にはいる。
注意!不安定の原因はゆで卵の場合と同様、歳差モードではなく章動モードである!
小半球によって不安定スレスレにも余裕ができ、有効性をを明示している。


重力トルクだけを受ける回転独楽の基本運動

この図は独楽の対称軸の重心以外の細い部分をヒモで水平に支持し、
一定の水平トルクがかかるようにして独楽の姿勢の反応を見ようとしたものである。その目的は、
これまでの直立に近い姿勢に限定さえれた姿勢の範囲を広げることを目的にしたものである。
この水平とは直立から90度傾いているが、地球儀でいえば赤道なので姿勢の上下変化が微小であれば
ほぼ正確である。その目的は緯度幅が狭い姿勢運動であれば、傾き角度に無関係にほぼ同一の
スパイラル運動が得られることを示したいからである。

赤道から離れると緯度によってテーパがつくので,延ばせば赤道と違って平面にはならない。
しかし緯度幅が狭ければ十分な近似が得られる。
ほぼ直立の姿勢に関しては、線形近似式は極めて納得のいくものと自賛しているが、大傾角でも
変化幅が狭ければどこでも同一の線形近似式が使えることを証明したいことが目的である。
さらには似たようなスパイラル模様が得られるが、どの緯度でも変化が小さければどれもが
トロコイドかサイクロイドになることを示したかったのである。


トロコイドとサイクロイドの説明

左図は原論文から取ったものであるが、この HomePage の最初に示した複素2次方程式が理解出来そうだと思われる方はこのまま続けて下さい。
独楽が接地していないので同式のkn, kp はゼロで、独楽に作用する外力は重力項:Kg項だけで、第2項の複素項は内部トルクなので左辺に移項したことに注意!
従って右辺は重力トルク項だけ!という簡単な式です。この右辺はヒモで支えた位置から重心までの距離が掛けられてトルク(簡単のため一定と仮定)です。
微分方程式を解くには普通、ラプラス変換法を使うが、複素係数系なので変換表で見付からない。小生は苦労して電子回路の参考書でやっと発見! あとは解の各項の理解の仕方で、左図は小生にとって労作でした。これも世界初と思っておりますが? 車輪径が小さく、フランジが大であれば, またはスピン速度が大なら、コイルスプリングのような図となるはず(省略)。 スピン衛星は車輪がなくてフランジだけとなり、移動することなく、フランジの大きさがそのまま円錐の大きさとなる(複素変数は便利ですね!先人に感謝)。 HP最初の図と、次の指シッペの図(シッペ無しの点線曲線)にも減衰するトロコイドはもちろん、サイクロイドになる部分が各1箇所づつ含まれています。 なお、ここの説明ではHを赤道としましたが、高緯度でも狭い範囲では似た形状の軌跡になることが推測できます(レールが緯度線のゆるい円に)。
少し頭を使うが、その一般解が分かる人は独楽の式も楽に理解できるでしょう。
直ちに下記の原論文(pdf)をダウンロードし、ご一読願いたい(下記HPは日本政府系機関, ご心配無用.小生のmail addressもあります)。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdd/4/1/4_1_142/_article/
わからなくても「SH を中心として周回する」がわかれば大丈夫。上のFig.5のフランジがループを作ることを分かってほしい。

風力発電機の低周波騒音問題に対する独楽の理論に基づいた特異な解決法(終了)、
これは同時に軸受の長寿命化にもつながります。
このあとの詳細な説明文では数式や図を挿入した文章が続きます。今回はテストのつもりでやっております。
また、javaを使った幾つかのappletを使った解説が挿入されていますので, 「javaを有効にする」に設定して下さい。
★ 残念ながら日本文のappletはMacはOKですがWinは駄目?。代りに下記英文のappletは可! 易しい英文なので是非お試しを!
Applet for Animation of Spinning Top/
enterキーの押しっぱなしでHS のデッドヒート最終の「眠りゴマ」が体験できるはずです。是非お試しを!
HとSの初期値変更が不可能になりました。悲しいことにjavaプログラムの変更について行けなくなりました。
Applet for Control of Spinning Top
ブラウザーは以前はどれでも結構なことを確認していました。ただし、「(今回は)許可する」等にしてください。
(2015/6月現在ではFirefoxは全部可能、safariも殆ど全部可能です。
ほかはjavaが問題らしい?是非FireFoxでお試し頂きたい!!6月20日追記)
現在、FireFox だけは解説のpdfが下の枠に入らないので別画面にダウンロードしてご覧下さい。下の枠には
http://equationspin-top.main.jp/ExplaJP3-2.pdf が自動的に入るはずです。
FireFoxだけはpdfがダメなので、HPの別画面のURLに前行のアドレスを打ち込んで下さい。
2015年6月21日現在、ゆで卵の起立に関する投稿用「大論文」の執筆中なのでHP解説は暫く中断します。
解説pdfの「文中の」URLが開けないことがあり、一字づつ拾って打ち込んで下さい。
http://equationspin-top.main.jp/Drrj3.html …日本語の労作ですが、前述のように現在使用不能です(原因不明)。
★解説pdfの中の「複雑な」頁は印刷できないことがあり、その場合には印刷機の設定を変えて印刷して下さい。
Ω

次の枠は微分方程式の簡単な解法からはじまる直感的解説欄ですがpdfですので、MacのFirefox は枠内に不表示の可能性大。
http://equationspin-top.main.jp/EffectKg (devil).pdf が入り, 逆立ちゴマ関連の-逆1-頁から始まる表題解説が続きます:




……次の枠はNHKの独楽の長時間回転競争"新超絶凄ワザ”に対するコマ博士の解説/見解とアイデアです:




http://equationspin-top.main.jp/p5.pdf



略歴:昭和5年(1930年)生まれ、旧制東北大学通信工学科入学、途中病気休学、新制で卒業
  航空宇宙技術研究所NAL(現JAXA):28年, 人工衛星の姿勢運動/制御, 磁気軸受の研究
  東京都立科学技術大学(現 首都大学東京), 航空宇宙システム工学科教授:6年, 回転体の運動の研究
  荏原総合研究所:3年, 磁気軸受, 磁気ダンパの研究
  著書:コマから衛星まで *回転体の運動と制御*, 日本ロケット協会
  自称 : "世界一の" 独楽博士. 京大工博, 学会論文賞:日本機械学会2回受賞、 日本航空宇宙学会1回受賞
Last Update : 2015/Jun/26
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