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独楽の簡単な線形近似運動方程式

オイラー角を使わない直観的解法 : 独楽(コマ)の簡単な線形近似運動方程式


重力トルクはもちろん、摩擦トルクも含めた、たったの2次の複素の定係数線形微分方程式(下図青枠)。
逆立ちごま、セルトの石(ロシヤの亀)の直感的解説(世界初)は終了。回転機器の低周波騒音対策も終了。
ゆで卵の回転起立,宇宙ヤットコ,回転コイン(終了)、運動器具ラートの斜転の直感的説明(世界初)は終了。
最初に次の簡単な英和文の図解を是非ご覧になって下さい。(重心移動無し、章動角速度Ω=一定と仮定、これらが式を簡略化)
 左図の赤曲線で示されたループ状軌跡は経験があるでしょう。この曲線は減衰のあるトロコイド曲線です。
青曲線は、現実には見えないのですが、赤ループ円弧の各瞬間中心=角運動量:H
の軌跡です。   θ(シータ:ギリシャ文字)は天頂ZからのSの傾き角で水平の慣性座標軸:X,Y軸まわりの成分から成る。
つまり図中でもθとして示される複素ベクトルです。
  青色の枠の式で重力と摩擦力以外の外部トルクが作用しない場合(右辺=qext=0)として初期値を与えて解いています。
 
★この図は恐らく「世界初」と筆者は考えます。なぜなら"attitude equation of spinning top, figures"でGoogle調査すれば(現在荒されて駄目!直接http://equationspin-top.main.jp/EQofTop-A.html へ))
 Googleさんは本解説の英文版をトップに、同時に本図以外に、独楽を指でハジいた場合の姿勢変化図などが””の図集の  top-10内にトップのほか、殆ど小生の図で占められ、類似のトロコイド曲線の図は一切見られないからです。(詳細は§9)
表題にある線形近似とは、掴み所のない複雑な方程式を、直感的に分かりやすくするだけでなく、線形理論にある各種の便利な道具が使えるようになります。今回は複素係数で、重力と摩擦の両トルクを含む式ですが、なるべく直感的に解説するつもりです。疑問の方はmailで!


 宇宙開発以前の回転体の力学は避けるべきです。スピン衛星の運動/力学を含む教科書や参考書を選んで下さい。これの駄目なことが最近判明、愕然!
下端を固定するよりも、重心を固定するほうが、遥かに実動に近いと、筆者は思うんだけどなあ! 新しい教科書でもH(の代わりにLを使っている)とSを高速だからといって一致させているのがあり、驚きました
最初に少しでも傾斜してれば重力トルクにより Hは左図のように簡單に分かれて離れます!!  またはこの直後に始まる独楽の頭の指ハジキによる姿勢変化の解説を注意深くジックリ読んで下さい。 或いはパソコンでプログラム言語JAVAが使えるようでしたら、APPLETによる解説を是非動かして見て下さい(MACならOK,可動まで時間がかかるかも?)。
 摩擦トルクによるH曲線への影響の図示を追加,加筆しました(2018,Mar.4),トロコイド/サイクロイドの図を改善!'18Mar/26.
筆者は既に89歳ホームページにはウトいです。頁幅をマウスで調整してご覧下さい。
この図はS,Hが合致した状態から始まっていますが、重力トルクのために直ぐ分離しています。
 
§5の図中の最初の式(8.1)の書き間違いを修正(2019,4,12).
§10を少し改善しました。§7に水平通過の図を拡大し、重力トルクと摩擦トルクの競争の説明を追加(2019年1月23日)。
§7(逆立ちゴマ)の最初の図を書き直しました。英文のままですが、いずれは日本語に直します。(2019年3月11日修正, 4月10日図の書き直し)。
7章の最後の拡大図を修正変更しました。は小さいながらも円を描きます。
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§ 序:回転中の独楽の軸端を叩くとHが変向し、軸Sは新Hを周回する, これが独楽の基本原理。高速でもHS傾いたままで一致を続けることはない!

この図の左側の質点の説明はどの力学の教科書にあるのでご存知でしょう。しかし右側の図は宇宙時代以前には力学の教科書にはなかったもの。これを理解しないと独楽の運動も理解できません!.
簡単ですのでこの機会に是非覚えて下さい。 打撃によって動かされるのはスピン軸ではなく、角運動量ベクトルHであること。
スピン軸は現在の角運動量を軸として円錐を描き続けます。角運動量が変化しない限り、永久に同じ円錐を描き続けます。
 打撃が斜め方向だとHは方向だけでなく長さも急変し、その瞬間からSも変化し円錐面の長さも瞬間的に変化します。しかしその最初のSは方向は同じでも長さは瞬間的に変化します。 角運動量の方向が変化すると円錐の半頂角νが変化するので、スピン軸は現在姿勢から変化した新角運動量=H1方向を軸とする新円錐面を描き始めます。直角打撃ならHSの長さは不変ですが方向が変わります。
つまり、打撃があってもそれによってSが直接に動かされるのではなく、Hの方向の変化があって、初めてそれを軸とする新円錐を描き始める。
スピン軸S変化した新Hを中心軸とする新円錐描き始めることを「肝に命じて」覚えて下さい。 図の右上の行ベクトルは座標系を選んで単純化したものです。複雑な式は直感が働かず筆者には不向きです。図のトルクを発生するには画面の裏側からS0を手前右側に叩く必要あり。この図の修正に数時間要しました。
次の図は{眠りゴマ}の急ぎの飛び入りです。


§ Applet Program による眠りゴマの実験.

永久に続く眠りゴマの軌跡が得られます ただし, Ωを一定不変と仮定します この仮定が崩されますと、2次の方程式は得られなかったでしょう。
HSの両者は永久に「追い越そう」「追い越されまい」のデッドヒートを続けているのです
      これを知らないと、スパイラル状のスピン軸軌跡は理解できません。独楽の芯棒からほんの僅かにずれたHがこの現象を引き起こします。これを軸心に固定したら得られません。あと少しは複素ベクトルの初歩的知識が必要です。§8の図が参考になるかも。
 この図では赤線と青線が数点で交差していますが、別時刻なので全く一致していません!。 図に三つの係数Kの説明を追加しました。それぞれ説明しやすい位置を選んで赤矢印を記入したのでKの役割も納得行くものと確信します。
 次の指ハジきは現実の現象そのものの格好の例です(スピン衛星のジェットによる姿勢変更と同じ)。


独楽の芯棒からほんの僅かにずれたHがこの現象を引き起こします。これを軸心に固定したらこの現象は得られません。


§1 指ハジキ

 初期値を与え、スパイラル運動の途中で打撃を式の右辺に細い矩形波=デルタ関数で与えた。つまり計算式は極めて簡單。(近似条件は傾き角微小とスピン速度不変)。
その瞬間、前述の解説通りに青のH だけがトルク方向にジャンプしているのに対して S は次の拡大した図に示すように ジャンプせずに方向が急角度で折れ曲がるだけ。 これが重要打撃が無ければ両曲線は図示のように細い点線の曲線を描き続けるはず。
 打撃トルクは独楽を直接に動かすのではなく、次の拡大図に示すようにH にベクトル加算され、急変した方向の位置にジャンプする。S は新H を中心とする新しい点線の円錐を描き始める。
 これは宇宙開発以前の教科書には無かった事柄らしいので、次の図を徹底して理解してください。


§2 指ハジキ効果の説明(極めて重要)

S の折れ曲がる方向は急変した新H の矢印先端H0を中心とする緑色の点線の円を描くはずだが…。
 宇宙なら緑の点線の円で示されキレイな円錐=純章動運動となるところ。この部分は序説の説明図と全く同じである。しかし机上なので重力や摩擦トルクによってHH0に固定されることなく、 主に重力トルクによって青線のように移動し、S もそれを追いかけながら取り囲むように流される。
本HPの序説のような説明のある力学の教科書ならよいが、ほかのHPで、拙HPと類似のトロコイド曲線を全く拝見しない。その原理を再度説明しよう;  打撃を受けるのはSであるが、急変するのはそれではなく、Hなのである!Sは各瞬間毎のHを周回するだけ!(これが今までの教科書に無かった。これまでの教科書の最大の欠点!!)  ただし、HSによって変化するのでややこしい。  Sの折れ曲がりに続く薄緑の点線の円弧状の軌跡は衛星の場合(無重力、無摩擦)で、地上ではGトルクとFトルクの影響を受ける。その時の姿勢はS「折れる」と書いた位置で、この付近での姿勢/位置で外部トルクを受ける。その結果Hが移動し、点線円もその方向に移動する。  ここでのGトルクは黒の細矢印方向で、2本を平行に示している。Hがその方向に動いている。  その影響で赤の軌跡は薄緑の点線円から少しずれている。Hを外へ追いやったからSもそれを中心とする円になるように打撃方向に折れて外部へと拡大した結果となっている。よーく検討されたい。 その結果、周回の点線円は黒の小矢印に示すように左下に引き伸ばされた形となる。近似とはいえ、運動の特徴をよく表現している(多分、世界初!「独楽の運動/解析、図」でググられよ、類似の図は皆無!)。
 H.P.最初の図の青枠の線形化方程式は2次なので2つの固有値または特性根を有し、どちらも反時計回りで、Hを周回する早い根は 弱い収束性、原点を周回する遅い根は収束しない弱い発散性なのが前述した指ハジキをしない上図の細い破線の軌跡図からわかる。つまり両破線はゆっくり平行に発散していく。(表題のモデルとは特性が少し異なるモデル,打撃による打撃方向の重心移動も無視)

§3 普通の独楽とゆで卵の形状の差と摩擦力発生の原理図

 左図は3種類の軸対称回転体:普通の独楽とゆで卵および東南アジアの茄子独楽という慣性モーメント比σ=C/Aが>1か<1の場合の代表例を並べ、姿勢や机上での接触点Pの位置関係と関連姿勢情報の記号やベクトルの方向関係を図示したものである。 角速度ベクトルωΩnsの2成分に分解して(ハッチした三角形の3辺を見よ) 検討していることに注意し、とくに方向と大小関係の極端さにも注目されて発生する摩擦力の大小、方向を検討されたい。
スピンすることによってテーブルへの接触点Pが回転軸の右か左かによって摩擦力が紙面の向側かこちら側かに分かれ、 それらが重心に対する右向きか左向きかのトルクに別れて角運動量Hに水平に加算され、Hは左右に傾く。
つまりこれによってSが描く円錐角νが変化する。これが宇宙時代前の教科書には無かったのである! 今でも殆ど無い!?
これらの摩擦トルクや重力トルクが目には見えない角運動量にベクトル加算され、その新角運動量まわりを独楽のスピン軸が角度を変えながら周回する、この簡単なことが分かれば「なるほど」と理解できます。
Ω成分は両者ともに安定に寄与するが、ns成分は相互に逆方向なので大きく別れ, 卵の歳差モードは安定なのに対して章動モードの安定には悪影響となる。これによって慣性モーメント比σの影響の大きさに驚かされる。
もう一つ忘れてならないことは、図示する3者の傾き角は同一に描かれているが、青の点線で示されるH軸に対するPの位置は卵が極端に短い。
このことから卵の章動安定性が他の2者に較べて低いことも理解できよう。

最後に卵はΩさえ高速にすれば安定になるが、手では困難である。

✱ 線形化した式は複素変数を使用した実質は4次式ではあるが、形は2次式なので固有値(特性根)は関数電卓で簡単に得られる。 Hは軸外から軸内に入り、軸中心に漸近します。

§4 根軌跡法の利用例

 運動方程式が線形化されると理解と応用が一変に広がる。その一例として安定性を調べるのに便利な「根軌跡法」を応用した例を述べる。
この方法は、あるパラメータを変化させたら安定性がどのように変化するかを容易に知ることができる、

以下、左図の下半分に示す根軌跡法で形状が姿勢の安定性に及ぼす影響の見方を示そう。

ここでは前述の茄子ゴマをあげよう。これには木製のものもあり、
これには接地部分に安定性の向上を狙って小さな半球をつけたものがある。
左図の左側は元の儘、右側は下端に小半球をつけて、r を小さくしたものである。

図の下半分が構造と根軌跡図である。回転速度が落ちると高速の章動モードが 減速とともに安定性を失い、境界線であるIm軸を通過して不安定領域にはいる。安定マージン増大も極めて有効!
注意!不安定の原因はゆで卵の場合と同様、歳差モードは無関係で、章動モードの不安定が原因である!
小半球によって不安定スレスレにも余裕ができ、有効性をを明示している。





§5 水平ゴマの運動と表現法
この図は独楽の対称軸の重心以外の細い部分をヒモで水平に支持し、
一定の水平トルクがかかるようにして独楽の姿勢の反応を見ようとしたものである。その目的は、
これまでの直立に近い姿勢に限定された姿勢の範囲を広げることを目的にしたものである。
この水平とは直立から90度傾いているが、地球儀なら赤道なので姿勢の上下変化が微小であればほぼ正確である。
その目的は緯度幅が狭い姿勢運動であれば、傾き角度に無関係にほぼ同一の
スパイラル運動が得られることを示したいからである。

赤道から離れると緯度によってテーパがつくので,延ばせば赤道と違って平面にはならない。
しかし緯度幅が狭ければ十分な近似が得られる。
ほぼ直立の姿勢に関しては、線形近似式は極めて納得のいくものと自賛しているが、大傾角でも
変化幅が狭ければどこでも同一の線形近似式が使えることを証明したいことが目的である。
さらには似たようなスパイラル模様が得られるが、どの緯度でも緯度変化が小さければどれもが
トロコイドかサイクロイド(複素表示は多分世界初)になることを示したかったのである。
なお、人工衛星の場合は車軸がなくqg=0なのでフランジだけになり、移動せずH0を周回するだけで青点線円で示した。
§9の図でも移動しない大きな破線の固定円で表示されています。



§6  トロコイドとサイクロイドの説明

このHome-Pageの表紙絵は一箇所だけサイクロイドにするために微調整して作ったものです。サイクロイドでは珍しくHSが一瞬だけ合致します。 その他の軌跡で両者が交差しているのが最初の数カ所ですが、これらは一方の通過後の軌跡に交わるだけで、実質的な合致はありません。 これを最初から高速では一致の近似をしている教科書があるので、これではスピン軸の最も独楽らしい運動は再現出来ません!! 「HSが周回する」のが独楽らしい運動なのです。
(独楽が接地していないので同式のkn, kp はゼロで、独楽に作用する外力は重力項:Kg項だけで、第2項の複素項は内部トルクなので左辺に移項したことに注意!
従って右辺は重力トルク項だけ!という簡単な式です。この右辺はヒモで支えた位置から重心までの距離が掛けられてトルク(簡単のため一定と仮定)です。
微分方程式を解くには普通、ラプラス変換法を使うが、複素係数系なので変換表で見付からない。小生は苦労して電子回路の参考書でやっと発見! あとは解の各項の理解の仕方で、左図は小生にとって労作でした。これも世界初と思っておりますが? 車輪径が小さく、フランジが大であれば, またはスピン速度が大なら、コイルスプリングのような図となるはず。)(改修中) 車輪径とフランジ径の大小はGやΩで決まります。図はどちらかと言えば低速でGが効いているのが分かるでしょう。HP最初の図はこの図の逆ですね。
 スピン衛星は前節で述べたように車輪がなくてフランジだけになり、H0を中心に移動することなく、フランジの大きさがそのまま円錐の大きさとなる(青色破線小円、複素変数は便利ですね!先人に感謝)。 HP最初の図と、次の指シッペの図(シッペ無しの点線曲線)にも減衰するトロコイドはもちろん、サイクロイドになる部分が各1箇所づつ含まれています(このすぐ後に続く2番目のpdf説明欄の-逆3-頁に多数の参考図があります)。 なお、ここの説明ではHを赤道としましたが、高緯度でも狭い範囲では似た形状の軌跡になることが推測できます(レールが緯度線のゆるい円に、同時に車軸も細くループになりやすい)。 この図は原論文にさらに手を加えております:図と式の関連を明示するために、色分けした数式を囲む枠と矢印を追加した世界初の労作です。


§7 逆立ちゴマはこうして立ち上がる : 重力トルクと摩擦トルクの一騎打ち!

独楽の姿勢安定で重要なことは、重力トルクは回転速度に無関係なのに対して、摩擦トルクは回転速度に強く影響されることです。 左端の図は逆立ちゴマ(tippe-top)の起立初期の約40度傾いた状態で、中央の図はほぼ水平になった状態の説明図で、摩擦と重力の効果の違いを説明しています。右端の2図はともに水平まで傾いた中央の図から、さらに傾くか、元に戻るかの解説図です。つまみSを上げる重力トルクとSを下げる摩擦トルクとの競争の説明図です。 両図ともに対称軸=水平のときの図です。重力の影響は単純ですが、摩擦トルクの作用は複雑です。ここでも接触点Pの滑る速度に比例するいわゆる粘性摩擦とします。
 図の改定部分は水平のSが下へ下がる右端の原理図です。重力の影響が無視できる程度の高速回転になると、書き直した右上図はHを軸としてヒシャゲタ傘の水平な赤矢印S0が水平な円を描いて行くべきものが、軸のH0が摩擦トルクによって微小な左傾をしてνが90度を少し越えてnew Hに微小変化した図は、左隣の中央図に大書したベクトル図と同じものです。これによって右端図のSが下降する原理を描いた積りです。
注意すべきはこの微小変化が下図右端に示すように、S,HおよびnewHが同一平面に含まれたまま小刻みに連続発散することによって水平通過して行くことです。
上図の左端の図に、軸が細い普通の独楽の場合を追記しました。摩擦方向が普通のコマでは図示のように逆方向になってνを小さくするのに対し、tippe top では逆転せず発散を続行します(§3参照)。
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下のスパイラル図の左2つは逆立ちゴマ(tippe-top)の起立初期、右は水平通過時の計算結果の一例です。Hをほぼ鉛直に(H0), Sは殆ど鉛直の近くにS0で起立させた状態から始まり、終わりはともに星印で示しています。  重要な事は前者が原点付近の少範囲しか動かないので、約20倍近くに拡大した図が右の青線図です。両者が互いに完全に逆位相にあるので、Sは小さなHの半径分づつ単調な増大を続けるが、増大量が次第に大きくなっていることを示しています。(赤線の間隔を見よ)。 しかし、水平近くまで傾くと傾き角の増大は一定のままで、図の赤線はほぼ等間隔に近づき、遂には摘みがタッチして普通の独楽の起立状態に入ります。 水平付近ではHは半径がほぼ一定のままなので、そのままSに加算され、普通の独楽の水平姿勢から「一定角度で増大」の起立状態に入っていく。 最後の図は独楽の姿勢がほぼ水平を通過する前後の変化です(座標軸の拡大率に注意)。逆立ちゴマを回してみると、最初の変化は小さく、ある程度傾くと起立が早くなり、水平姿勢を軽々と通過するのを経験されたでしょう。



§8 摩擦・重力トルクの作用早わかり

運動方程式における各項の作用は、複素係数もあるので単純ではない。しかし複素座標系がわかると独楽の姿勢運動を理解する上で如何に便利であるかがよく分かる。 最大の困難は摩擦トルクの作用である。独楽の最下部は半径rの球面の一部であるが、その机上への接点Pは、コマが傾けば対称軸から少し離れた球面上の一点Pが机上面を擦る。 摩擦力は複雑なのでPが机上面を擦る速度に比例するいわゆる粘性摩擦とする(図中、青枠内の式のμは摩擦係数)。このH.P.で扱っている解法の大前提は、「傾き角θは微小とする」です。 ここで次節の図を使って摩擦の作用を具体的に説明するので次節の図とこの小さな図を一緒に示すよう、H.P.画面を工夫して下さい。


図の左下部にある×を◯で囲った(矢尾)印は矢印のシッポを意味し、方向が紙面の向側の意。「接点の摩擦方向は向側」です。摩擦トルクは弱いながら淡青矢印の近づける作用となります。従って章動角νはユックリ減少します。 では右側の太軸の図は r < h で図示のピンク矢印のようにHをゆっくり天頂方向へ立ち上げることになります。逆立ちゴマは逆立ちゴマの節で説明します。

この図の数字は次節のH曲線にふってある番号で、0はその出発位置、1はその最初の区切り、4、5は姿勢角が直立に最も近い位置でg-トルクが最弱です。カラー矢印が曲線に作用しているのが理解できるでしょう。
これらの図が同時に見られるよう、工夫して下さい。



§9 独楽の運動早わかり

左図はHP英文版から拝借し、スピン衛星の場合を想定して破線の円を追記したものである(曲線自体はホームページの最初の図と同じ)。 つまり無摩擦、無重力の環境にある軸対称スピン衛星なら不動のH0を中心とする水色の同一の破線円を描き続ける。
通常、スピン衛星には章動ダンパが搭載されているので章動は消滅する。このダンパ研究が小生の若かりし頃の最初の研究テーマであった。独楽の場合には摩擦トルクが鉛直起立→眠りゴマの作用も。
しかし地上では重力トルクを受け、おまけに机上面の接点は摩擦トルクによる影響を無視できない。前者は初期値が最大の傾き角なのでHに最大の重力トルクを与えるのでその結果、
図示のように最大の変化は最長の青の緩いカーブとなる。この図で要注意は接点PはZに対して赤線の位置とは対向する第3象限にあることを忘れないように(摩擦トルクの図を参照)。つまり重力トルクによりHが 図示のようにほぼSと平行に移動する§8で示した灰色の天頂周回のトルクで、この図では最長となる。その際、L-blueとpinkの両トルクは前者が少し優勢。 その結果、SHに近づくことになり、章動角νの減少を早めてループ消滅を早める結果をもたらす。
番号の3.4.5.6あたりが姿勢が直立に近づき、重力トルクの変化も小さくなるのでHの移動量も小さくなっている。特に4と5は傾き角θが約半減しているので、移動量も半減以下になっている。 おまけにカーブが下向きに湾曲し、ダンピングの効果とピンクの天頂向けの両トルクが目立っている。 これは摩擦トルクによるνの減少とSのゆっくりした起立となっている。これらの事柄をじっくり考察して下さい。なお、同図の左下のSの折れ曲がりはサイクロイドになった瞬間です。 (サイクロイドになるように初期値等を調整しました,またはホームページの最初の図を参照)。



§10 スピン衛星のスピン軸方向変更を地上で実験する


スピン衛星の姿勢制御実験のために、超精密な球面空気軸受を使って模擬衛星を浮上させますが、模擬衛星に空気ジェットを搭載し、スピン軸上の最上面に発光ダイオードを搭載します。 ジェットは空気ジェットを使いました。問題は重心位置合わせよりも軸対称に近づけるのが大変でした。図の右側に実験の一例を示しました。 中央の図は、赤円がSの予測軌跡、その円周上の赤数字は毎スピンごとに1回の噴射タイミング位置で、一定短時間のジェットを吹いて得られる予測を示したもので、このHPに示した練習用のjavaプログラムでの乱暴な実験でもほぼ近い軌跡が得られました。 結論はまさに理論どうり,と言って良いでしょう。さらには重心を固定した簡略化は理にかなっている、独楽の場合にも使える、と、思いませんか? 此のような経験から、重心固定、微小角近似として姿勢を複素数表示することの、直感性なども含めて、オイラー角から離別した結果の合理性がお分かりになったでしょう。
 中央の図の説明:Xの矢印は角運動量Hの移動方向を表し、一直線(理論値)です。 赤線が衛星の上側から見たS軸の極めて単純な円錐の理論軌跡で、赤数字はニューテーション(章動)順番、赤円が章動軌跡、赤数字は章動中におけるジェットトルク方向が右向きに(x方向)なった瞬間の章動中の位置を表し、ここで噴射します。 慣性モーメント比が1より大の1,25辺りなのでこの数字あたりの章動でジェットノズルが同じ方向に戻ることを示しています。慣性モーメント比は実験データの場合とは少し違っています。


§11 ゆで卵の回転起立と形状による差

卵の形状は軸対称ではあっても上下の非対称性が目につき、表題の問題に影響のあることはよく知られている。 水平なガラス面上では滑って立ち上がらないが、木製のテーブル面上では起立する。つまり摩擦がないと起立しないので、以下、木製テープル面に限定する。 形状の非対称性とは、一方がほぼ半球であるのに対して(丸い=roundのrを使う)、他方は少し細く長く突き出している(細い=thinのtを使う)、として検討することにする。 両者にはほぼ等しい傾角を与えて回転する。明らかにrが下より、tを下にしたほうが重力トルクは大きい。 この比較を取り上げたのは、卵に描かれる接点の模様が大幅に異なることが半世紀近く前に話題となったが未だに説明がない。当時はスピン軸Sが 角運動量ベクトルHを周回するという知識の無かった時代なので無理もない。小生にはその知識があるので挑戦を試みます。是非熟読されて理論のホコロビをお探し下さい。  図示のとおり、2つのトルクが大幅に異なることには同意下さるでしょう。H0を両者に等しく与えたと仮定しています。 これにベクトル加算されるF-トルクによってH0の傾き角に大差がでます。つまりH0は+Zr軸にかなり接近するのに対して、左図側の-Zt軸には 少ししか近づかないことに気づくでしょう。同時にF-トルクはスピン速度nを加速して卵殻に大円を描くのですが、nの増速でその効果は直ぐ落ちる、と筆者は考えます(英文HPをご覧あれ)。
 
少し頭を使うが、その一般解が分かる人は独楽の式も楽に理解できるでしょう。
直ちに下記の原論文(pdf)をダウンロードし、ご一読願いたい(下記HPは日本政府系機関, ご心配無用.小生のmail addressもあります)。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdd/4/1/4_1_142/_article/
わからなくても「SH を中心として周回する」がわかれば大丈夫。§5のFig.5にあるフランジがループを作ることを分かってほしい。

風力発電機の低周波騒音問題に対する独楽の理論に基づいた特異な解決法(終了)、
これは同時に軸受の長寿命化にもつながります。
このあとの詳細な説明文では数式や図を挿入した文章が続きます。今回はテストのつもりでやっております。
また、javaを使った幾つかのappletを使った解説が挿入されていますので, 「javaを有効にする」に設定して下さい。
★ 残念ながら日本文のappletはMacはOKですがWinは駄目?。代りに下記英文のappletは可! 易しい英文なので是非お試しを!
Applet for Animation of Spinning Top/
enterキーの押しっぱなしでHS のデッドヒート最終の「眠りゴマ」が体験できるはずです。是非お試しを!
HとSの初期値変更が不可能になりました。悲しいことにjavaプログラムの変更について行けなくなりました。
Applet for Control of Spinning Top
ブラウザーは以前はどれでも結構なことを確認していました。ただし、「(今回は)許可する」等にしてください。
(2015/6月現在ではFirefoxは全部可能、safariも殆ど全部可能です。
ほかはjavaが問題らしい?是非FireFoxでお試し頂きたい!!6月20日追記)
現在、FireFox だけは解説のpdfが下の枠に入らないので別画面にダウンロードしてご覧下さい。下の枠には
http://equationspin-top.main.jp/ExplaJP3-2.pdf が自動的に入るはずです。
FireFoxだけはpdfがダメなので、HPの別画面のURLに前行のアドレスを打ち込んで下さい。
2015年6月21日現在、ゆで卵の起立に関する投稿用「大論文」の執筆中なのでHP解説は暫く中断します。
解説pdfの「文中の」URLが開けないことがあり、一字づつ拾って打ち込んで下さい。
http://equationspin-top.main.jp/Drrj3.html …日本語の労作ですが、前述のように現在使用不能です(原因不明)。
★解説pdfの中の「複雑な」頁は印刷できないことがあり、その場合には印刷機の設定を変えて印刷して下さい。
Ω

次の枠は微分方程式の簡単な解法からはじまる直感的解説欄ですがpdfですので、MacのFirefox は枠内に不表示の可能性大。
http://equationspin-top.main.jp/EffectKg (devil).pdf が入り, 逆立ちゴマ関連の-逆1-頁から始まる表題解説が続きます:




……次の枠はNHKの独楽の長時間回転競争"新超絶凄ワザ”に対するコマ博士の解説/見解とアイデアです:

ν0ν0


http://equationspin-top.main.jp/p5.pdf


KP=μhr/σ はどうなるか?
KN=μh2


略歴:昭和5年(1930年)生まれ、旧制東北大学通信工学科入学、途中病気休学、新制で卒業
  航空宇宙技術研究所NAL(現JAXA):28年, 人工衛星の姿勢運動/制御, 磁気軸受の研究
  東京都立科学技術大学(現 首都大学東京), 航空宇宙システム工学科教授:6年, 回転体の運動の研究
  荏原総合研究所:3年, 磁気軸受, 磁気ダンパの研究
  著書:コマから衛星まで *回転体の運動と制御*, 日本ロケット協会
  自称 : "世界一の" 独楽博士. 京大工博, 学会論文賞:日本機械学会2回受賞、 日本航空宇宙学会1回受賞
津軽生まれの<ずぐり>博士 Last Update : 2018/Oct/17
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